公益財団法人日本バドミントン協会での設置事例
公益財団法人日本バドミントン協会 事務局 渡邊様
公益財団法人日本バドミントン協会について
公益財団法人日本バドミントン協会(NBA)は、1946年に設立された日本のバドミントンを統括する団体です。
バドミントンの普及や選手の育成を目的とし、国内外の大会の開催や情報提供に加え、競技力の向上を目指して健康促進やスポーツ文化の発展にも寄与しています。
選手やコーチの育成プログラムも充実しており、国際大会への参加を通じて日本のバドミントン界を盛り上げています。
今回は、公益財団法人日本バドミントン協会様のAED設置事例、そして安全・安心なバドミントン大会を目指した取り組みについてご紹介します。
公益財団法人日本バドミントン協会 事務局 渡邊様
渡邊様は、バドミントン大会の企画や審判、大会に関わる備品類の配備などの業務を担当されています。
渡邊様ご自身も中学生よりバドミントン競技を始められたそうです。
AED導入のきっかけ
ー 2024年6月30日にインドネシアで開催された「アジアジュニア選手権」大会の試合中に17歳の中国人選手が突然倒れ、病院に搬送されましたが心不全でお亡くなりになったという事故がありました。それを受けて日本バドミントン協会でも「今後このような悲しい事故が起きてはいけない」という村井会長の発言があり、AEDの使用を始めとする迅速な救命処置を行える環境を整えていこうということで動き出しました。
ニュースの映像などでご覧になったかもしれませんが、事故時の対応については、倒れた選手に対して救命措置も行われないまま担架で運ばれたということから、全世界的に批判がありました。私自身、若い選手でも心不全になり得るということに衝撃を受けましたが、日本バドミントン協会としても早急な対策が必要ということで、まずは全国大会からしっかりAEDを配備することにしました。
液晶画面付きAED「AED-3150」の導入について
ー バドミントンの大会で使用するということで、観客の方が多くAEDの音声が聞き取れない状況があったり、これまでAEDを使用されたことが無い方が使う場合も考えて、音声とイラストで使い方をインストラクションしてくれる液晶画面付きのAED-3150を営業担当の方よりご案内いただき、導入を決定しました。
設置したAEDの運用について
ー 現在、全国大会では大会会場に元々設置されているAEDとは別に、本部席に必ずAEDを置くように定めています。
全国大会では本部席に医師が待機するので、基本的に有事の際は医師がAEDを使用する想定です。
大会主管の都道府県でAEDを用意できる場合は用意いただき、都道府県で用意できない場合は今回日本バドミントン協会で導入した5台の中から送付し、大会期間中置いてもらう運用としています。
大会は1週間に1回くらいの頻度で開催されることが多いですが、同じ週に複数の大会が重なることもあります。また、1つの大会でも会場が3~4か所ある場合もあるので、そういった際は各会場にAEDを置けるよう配備しています。
AEDが空いているときは、都道府県協会の大会にも貸出ができるよう周知しています。
大会時に設置されているAED
講習体制について
ー 先日、私ともう1名で日本光電主催の「心肺蘇生+AED 指導者講習会」を受講し、インストラクターの資格を取得しました。各都道府県にAEDを送付する際に、希望があれば講習会を開催するようにしています。今後は訓練用の機材も用意していきたいと思っています。
また、バドミントン会場で有事の際の対応をまとめたチラシなども作成してレクチャーしていければと思っています。
講習会の様子
迅速な救命措置を行える環境を目指して
ー 現在はまず全国大会レベルでのAED配備を進めていますが、本部席には必ずAEDと救急セットが置いてあるというのが当たり前になって、その意識が少しずつでも都道府県大会にも浸透していけばと思っています。体育館にもAEDは設置してありますが、本部席にAEDがあれば1秒でも早くAEDを使用することができ、救命率の向上につながると思っています。
そういったことを、講習会などを通じて私の方から啓発していきたいです。
——————————————————————————————————
AEDの設置についてだけでなく、AEDを使える環境づくりや今後の展望までお伺いすることができ、改めて日本バドミントン協会様の救命に対する意識の高さを感じることができました。
当社も引き続き安全・安心な大会運営のお手伝いをしていければと思っています。