誰もがAEDを使える社会をめざして~日本光電の取り組み~

AED20周年ロゴ

日本で一般市民がAEDを使えるようになってから20周年を迎えます

今から20年前の2004年7月1日、それまで医療従事者にしか許されていなかったAED(自動体外式除細動器)の使用が、一般の人にも認められました。それが、一般市民へのAED普及の第一歩となりました。
日本光電は、AED一般解禁に先駆けて2002年にAED事業を開始、2009年には日本初の国産AEDの販売を開始しました。
そして、医療機器を扱ったことのない人でもいざという時にためらわずに使えるよう、AEDの機能の開発だけでなく、AED普及のためにさまざまな取り組みを続けてきました。
このページでは、当社のこの20年間のAED事業の取り組みをご紹介します。

日本光電のAED事業の取り組み

使い方を知ってもらう

救命率を上げるためには、AEDを作って売るだけではなく使える人を増やすことが重要との考えから、使い方の講習会を開催したり、講習用の機材についても工夫をしてきました。

救命講習会(2004年~)

アメリカ心臓病協会公認のBLS※インストラクター講習をもとに医療監修を受けた講習会を開始しました。
この20年間に日本光電の救命講習会を受講いただいたのは10万人以上。 今も個人向け及び法人向けに、対面形式やオンライン講習会を数多く開催し、使用方法の普及に努めています。

※BLS:Basic Life Supportの略。心肺停止や呼吸停止が発生した際の初期対応を指す一次救命処置のこと。

講習会のイメージ
オンライン講習会のイメージ

簡易講習キット(2016年~)

音声メッセージで訓練できる簡易講習機材「アクトキッズ」を提供開始。大人数が参加する講習会でも、一人一人が十分にAEDの操作を体験できるようになりました。製品の機能アップにあわせて、講習機材も改良しています。

アクトキッズの画像

スマートフォンでVR体験(2023年~)

スマートフォンとVRゴーグルを使用して、AEDを使った救命の手順を救助者の視点でVR(バーチャルリアリティ)体験できる動画を公開しました。国際的な蘇生科学シンポジウムでも紹介されました。

VRゴーグルの画像
VR動画内容イメージ

誰もが使いやすく

誰でも、どんな場所でも、確実にAEDを使っていただけるように、AEDの機能改善に力を注いできました。

AEDの画面に操作方法を表示

2012年に発売したAED-2150は、音声ガイドに加えて、画面に操作方法をイラストとメッセージで表示します。音声が聞き取りにくい状況でもAEDを使用しやすくなり、翌2013年に日本で初めて耳マークを取得しました。

AED-2151の画面
耳マーク

より小さく、より軽く。使用環境の拡大

2015年に発売したAED-3100は、当社従来品(AED-2100)に比べ体積40%減、重量15%減と小型軽量化しました。さらに、防塵性(IP66※準拠)・防水性、氷点下(-5℃)でも使用可能な仕様を備えることで、屋外のさまざまな場所で使用できるようになりました。

※IP: Ingress Protection(侵入に対する保護)の規格です。いくつかのレベル(数値)があり、IP66では以下の基準を満たすことが要求されます。
 防塵: 粉塵の侵入が完全に防護されている
 防水: いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない

AEDの比較画像
IP66のイメージ

カラー液晶画面搭載

2019年発売のAED-3150ではカラー液晶画面を採用。操作方法の表示がよりわかりやすくなりました。

AED-3150の画面

バイリンガル対応

2017年発売のAED-3100以降の機種では、英語の画面表示や、音声ガイドを各国語(17か国語)と日本語で交互に行うバイリンガル機能に対応。現場に居合わせた外国人もAEDを使用した救命処置が実施できる環境づくりを進めています。

バイリンガル機能の画面
バイリンガル機能のマーク

使用を促す

「心臓に電気ショックを与える機械」と聞くと「怖い」イメージを持つ方も多いかもしれません。目の前で人が倒れている状況に遭遇したとき、ためらわずに安心して使っていただけるように、機能の工夫や、サポートするツールを提供しています。

呼吸と脈拍の有無をチェック(2020年~)

救命の手順で最初に行うのは呼吸の有無の確認です。でも、実際には判断が難しいことも・・・。パルスチェッカーは、そのようなときに呼吸と脈拍のチェックをサポートする装置です。

パルスチェッカーの使用イメージ
パルスチェッカーのイメージ

電気ショックを自動で行うオートショックAED

電気ショックが必要かどうかはAEDが判断してくれますが、自分でショックボタンを押すのは勇気がいるもの。電気ショック操作も自動で行うことで、救助者の心理的負担の軽減を目指しました。

AED-3250の画像
AED-3250の画面イメージ

設置場所を広げる

必要な時にいつでもAEDが身近にある環境を整えるため、駅や公共施設だけでなく、さまざまな場所への設置を進めてきました。

自動販売機に組み込み(2006年~)

日本で初めての「AEDを組み込んだ自動販売機」を、自動販売機製造会社とともに開発して設置を進めました。

自動販売機にAEDを設置した画像

航空機に搭載

航空機内では規格※に適合した機器しか使用することができません。
2012年発売のAED-2152はこの規格に適合。日本光電のAEDも航空機内で使用できるようになりました。

※「RTCA/DO-160G セクション21 カテゴリM(航空機内の客室またはコックピットに装備される機器に対する電磁放射に関する規格)」

航空機マーク

ご家庭に

心停止の7割以上は自宅で発生しています。いざという時にAEDを使える環境をご家庭にも提供し、救命率を高めたい。その想いから2018年にセコム株式会社と提携。家庭用AEDのレンタルサービス「セコム・MyAED」にAED-3101を提供しています。

家庭用AED-3101のイメージ

マラソンなどのスポーツ大会、イベントに貸出

スポーツ中の突然死を減らすために、マラソンなどのスポーツ大会、イベントなどへのレンタル専用機として、小型・軽量の携帯型AED「AED-M100」を発売しました。
東京マラソンには、2007年の第1回大会から、サポーティングパートナーとしてAEDを貸出。大会当日には、当社社員がAEDを所持したBLS(basic life support:一次救命処置)サポート隊、ボランティアメンバーとして、ランナーの皆様をサポートしています。

BLS隊の画像
AED-M100の画像

管理しやすく

設置したAEDをいざというとき確実に使用できる状態を保つためには管理が必要です。管理のしやすさも設置を推進する条件のひとつと考え、さまざまな管理システムを提供しています。

AEDのリモート監視(2011年~)と持ち出し検出(2022年~)

AEDリモート監視システム(AED Linkage)は、AEDやバッテリーなどの状態を集中管理し、お客様自身による日常点検をサポートします。
また、公民館や学校など、不特定多数の人が出入りし、かつ不在の時間がある場所にも安心してAEDを設置していただけるように、AEDが持ち出された時・AEDの電源がオンになった時に、AEDリモート監視システムよりAED設置管理担当者等へメールで通知するサービスも開始しました。

AED Linkageのイメージ

親しみやすく

子どもの時からAEDに親しみ、大人の方にもAEDをより身近に感じてもらうために、楽しいツールを企画しました。

細部まで本物そっくり!ガシャポン®ミニチュアAED

2020年9月9日(救急の日)にバンダイ社から発売された「ガシャポン® ミニチュアAED」を日本光電が監修。SNS上でも話題になりました。

ガシャポン®のイメージ

※本商品は2020年9月に発売した商品になります。
※販売が終了している場合があります。お問い合わせいただいても対応いたしかねますので予めご了承下さい。

作って学ぼう!ペーパークラフト

紙に印刷された部品を切り取って組み立てるペーパークラフトは、イベントで配布したり、AEDライフサイトの「かえでちゃんのお部屋」ページからもダウンロードできるようになっています。小さなお子様でも作れる簡易版もありますので、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。

ペーパークラフトの画像

「AEDがある社会」から「AEDが使える社会」をめざして

私たちは、救命率を上げるために広くAEDの設置を進めてきました。しかし、AEDが使用された救命事例は、目撃された心停止のわずか4%。救える命との間には、いまだ残された距離があります。

AEDが現場にあれば、AEDが電気ショックの必要性を判断し、救命処置をサポートしてくれます。もっと多くのケースにAEDが使用され、もっと多くの命が救われるために、私たちにできることはまだたくさんあると考えています。
私たちの小さな一歩の積み重ねによってAEDを使う時の心理的、物理的な壁をなくすことでめざすのは、心臓突然死が3分の1になっている未来です。

誰もがためらいなくAEDを使用できる社会をめざして、当社はこれからもさまざまな取り組みを行っていきます。

「AEDが使える社会」のイメージ

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